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法律で読み解く日本 Vol.4

日本人が「迷惑をかけない」ことを大切にするのはなぜ?民法第1条から考える

執筆:行政書士 吉田 翔
民法第1条から見る日本社会

🐱「先生、日本に来てから、日本の人はみんな『人に迷惑をかけない』ことをすごく気にしている気がします。日本で暮らしていると、いつも周りに合わせないといけないような……」

👨‍🏫「実は、法律がすべてを物語っているんですよ。」

🐱「どういうことですか?」

👨‍🏫「人と人との関係を規律する法律は何でしょう?」

🐱「民法ですか?」

👨‍🏫「そのとおり。では、日本の民法第1条第1項に何が書いてあるか知っていますか?」

私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

民法第1条第1項

👨‍🏫「これは『あなたの権利は重要ではない』という意味ではありません。自分の権利を行使するときにも、他人や社会の利益に配慮しなければならない、ということです。日本社会が『人に迷惑をかけない』ことを大切にしていると感じるのも、ある意味でこうした法の精神と響き合っているのかもしれません。」

🐱「なるほど。法律は行動を規律するだけでなく、社会が大切にしている価値観も映しているんですね。」

台湾の民法では?

ちなみに、台湾の民法にも似た趣旨の規定があります。

權利之行使,不得違反公共利益,或以損害他人為主要目的。

台湾民法第148条第1項(権利の行使は、公共の利益に反し、または他人に損害を与えることを主な目的としてはならない)

どちらも公共の利益に触れていますが、台湾では総則の「権利の行使」の章に置かれ、権利の濫用、特に他人を害することを主な目的とする行使を禁じることに重点があります。一方、日本は「公共の福祉」を民法全体の第1条第1項に置き、私権の基本原則としています。着眼点には違いがあると言えるでしょう。

もちろん、一国の文化が一つの条文で決まるわけではありません。それでも、法律に表れた価値観は、その社会を理解する手がかりになります。

法律で、日本を読み解く。

本記事は一般的な法律情報の紹介であり、個別の案件に対する法的助言ではありません。具体的なご事情は個別にご相談ください。紛争・訴訟に関する事項は弁護士にご相談ください。

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